Abaddoselenium
アバロセレン(アバドセレニアム)
ひとりでに光る。原理はよく分からないけど、ひとりでに状態が自由自在に変化する。そして絶対零度に冷やすと、逆に熱が出る。極限まで冷やされると、臨界のような状態となり、場合によってはSODが発現することもある。
ともかく「アバロセレン」というのは新種のエネルギー物質で、とにかく謎が多い。質量はあるのに、原子核を持たない。意味がワカラナイ。そういうもの。
アバロセレンとは昏神キミアの力そのものであり、キミアが仕掛けた捨て身の賭けでもある。最も厄介な生命である人間に、「法則や運命を捩じ伏せて、全ての願いを叶える」という自分の力を貸し与えることによって、司神アリアンフロドでさえも修正困難な歴史の歪みを産み出すことが目的。結果その通りとなり、遂にアリアンフロドは匙を投げる。
なお設定上、宇宙には文明を築くレベルにまで到達した生命がいる惑星は、地球を含め10個存在していることになっている。ただ他の星は完全に元老院の配下にあり、統治体制もキミア曰く「蟻のコロニーぐらいの無駄のなさ」だとか。
また、アバロセレンの名前の由来は「アポリュオン=アバドン」と「セレネ」。
- 太陽神アポロンは後世において彼が打倒した邪悪な蛇「ピュトン」と同一視され、零落した。
- 夜明けを齎す太陽は失墜し、暗闇の奥底に沈んだ後、邪悪な者として疎まれるようになった。やがて零落したアポロンの名は「アポリュオン」と変わり、それは後に「アバドン」と変遷する。
- アバロセレンによって「名誉を汚された男; シスルウッド」と「力を奪われた竜; カリス」への皮肉。
- セレネは柔らかな月光を纏いし矢を放つ、夜と月と霊魂を司る女神。
- アバロセレンの淡い蒼白の燐光に、キミアはセレネの神話を思い出した。
- 故にキミアは「セレニアム」とその物質に名付けたかったが、既に同名の物が存在したことを知って……――というわけである。