脳神経内科医を父に持つブリジット・エローラは、精神科医を目指す至極普通の医学生。
そんな彼女の胸を焦がさせていたのは、「世紀の大天才」と世間に仇名される気難しい男だった。
気難しいうえに幾つかの精神障害を抱え、過去の記憶もあやふやであれば、多重人格で性格もコロコロと変化する。
彼は誰もが思い浮かべるような"偏屈な天才"であり、そうである自分に常に生き辛さを抱えていた。
私があなたを助けてあげる。そう彼に誓ったのも束の間のこと。
その恋は、道ならぬものだった……――?
これは何もかもが偽りの彼を愛したブリジットが巻き起こす、混乱の群像劇である。
目次
【Water flows, under the bridge.】
水は流れる、橋の下を。
人は流れる、大いなる時の中で。
人は流れる、大いなる時の中で。
* * *
Curse with Amnesia
Blank of Memory
Life like Suicide
Another You
A Lonely star
Vital melts a Frozen heart
Light of Abaddon
【Time flows, but your heart's in the ice.】
時は流れる、壮大なる世界の中で。
しかしあなたの心は、氷の中でその動きを止めていた。
しかしあなたの心は、氷の中でその動きを止めていた。